第十九章
■荷造り、ササニシキ■
 恥ずかしい話だが、私は、日本食以外はどうも苦手だ。そんなわけで外国に行くときは、日本食専門のトランクを持っていく。インスタントラーメン、梅干し、インスタントみそ汁、お米、醤油に箸、何とも情けない。もちろん現地では電気炊飯器を購入する予定。
今度のツアーは二週間と長旅だ。トランクも結構重い。完全に外国旅行失格者だ。

 サクラメントは砂漠の気候で昼は真夏、夜は早春といった感じで、服装も、春物夏物と二種類が必要になる。旅慣れたという言葉が有るがこう荷物が多くては、旅慣れない旅行者の代表選手だろう。

 ステージ衣装も悩むところだ。野外ステージではとてもスーツなど着ていられない。また、コンサートホールなどはフォーマルでなければ格好がつかない。荷物はますます増えるばかり、ステージ衣装のトランクが一つ追加された。断っておくがメンバーの分も入っているので念のため。
そうそう十数キロの譜面のバックもある。飛行機の手荷物は確か一人二個までだった。大変だ。肝心の楽器もトランペット、ワイルドビルデビソンのコルネット、てきたらフリューゲルホーンも持っていきたいところだが、さすがにフリューゲルホーンだけはあきらめた。もうこれ以上荷物を増やすわけには行かない。あと必要な物は現地調達と決めた。

 こんな事はどうでも良いことだが、「どーやって成田まで行こうか?」
これも家族会議の末、○×△パーキングに予約し二週間置かせて貰うことになった。
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